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今は暗渠となってしまった烏山川。この烏山川沿いに、下流から池尻、三宿、太子堂があります。その辺りの魅力資源をノンジャンルで発掘していきます。地元民には「オシャレな三宿」とかって、納得できませんしね。でしょ?
Posted by - 2025.05.15,Thu
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Posted by ムルギー - 2008.04.03,Thu
kasai1.jpgkasai2.jpgkasai3.jpg『酔狂者の独白』は、昭和2年1月に発表された葛西善蔵の作品です。善蔵が鬼籍に入るのは翌昭和3年の7月ですから、死ぬ1年半前に書かれたことになります。この小説によると、知合いの編集者が三宿方面に住んでいたことが、善蔵が三宿に住むきっかけになったようです。まあ、かわいそうに思って、土地勘のある三宿あたりで一緒に物件を探してくれたわけですね。で、その下宿の大家が大工さん。ところが大酒のみで酒乱で家賃を滞納している善蔵を追い出しにかかるんですね、その大工が。まあ、捨てる神あれば拾う神ありで、ここに登場するのが信州屋酒店のおやじさんです。小説ではS屋の爺さんとなっています。

「S屋の爺さんと知り合ひになった……知合ひといふのも可笑しなやうな知り合ひになって、あの爺さんも、ちっとは困りやしないかしら」

とあります。まあ、自分でも厄介者であることは分かっているんですね。大工に追い出される時も、信州屋のおやじが間にはいっていろいろやってくれたようです。結局、その下宿を出ることになるのですが、やはり信州屋のおやじが面倒を見てくれるんですね。すぐ近くに新しい下宿を見つけてくれます。

「S老人が、兎に角にと自分を宥めて、その場に迫って、直き半町とも隔たってゐない埋立地の細民窟の中の長屋の一つを借りてきて呉れたのだった」

とあります。「埋立地」ということは、考えられるのは「蛇池」、つまり三宿たんぼ方面ですね。以前写真で紹介した場所ではありません。写真は大工のほうかもしれません。ただ、三宿内で二回引っ越しているらしいので、なんとも言えませんが


※写真は左から明治41年、大正13年、昭和3年撮影。ウーン、人生を感じずにはいられません。
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HN:
ムルギー
年齢:
69
性別:
非公開
誕生日:
1955/11/12
職業:
下等遊民
趣味:
めまいのする散歩
自己紹介:
中国四川省の深山で生を受け、三歳にして四書五経、平凡パンチなどを読破。その後世界を放浪する資金に恵まれず、四川省とは似ても似つかぬ烏山川流域を放浪。水宿を終の棲家と決め、今日に至る。
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